"好奇心が罪(宗教上の)となる瞬間が常にある。されば悪魔は常に学者の傍に身を置いて来た。"
――『エピクロスの園』アナトール・フランス
記事を見て、とりあえず思い出したのが(ソースが曖昧な記事だったのですが)無痛分娩に反対なのは男性の方が多い、という話題でした。
あ、当の本人の女性じゃないんだ、とまず思って。
促進剤や麻酔の危険性でかな?と思ったら
「痛みを感じて母性が目覚めるから」
というような理由がほとんどらしく。
アンタ痛くも痒くもないじゃん!
っていうツッコミより先に。
ああ、男性も迷信を信じるのか。と妙な納得をしてしまいました。
何というかイメージなんですけど、占いとかおまじないとかって信じるのは主に女性、という印象が強かったので、やはり性別関係なく理解できないものに対しては原始的に迷信や信仰心が出てくるんだな、と。
妊娠、出産をしてみると(一部の方は不快に思われるかと思います……すいません)、まあ何とこの世界は迷信と信仰心に満ちているかとびっくりさせられます。
○○をすると良い、○○を食べると○○になる、○○はしてはいけない……それらは全くの噂の域を出ていなかったり、肩書が不明な「専門家」が語っていたり。
私は、初めての妊娠の時に「医者が言うことと、科学的根拠が自分で納得できるもの以外は捨てよう」と決めてしまったので楽な妊娠生活でした。
しかし、それは不安要素がない妊娠だったから割り切れたのであり、流産などの経験や、不妊に悩んでいた人の妊娠、もしくは妊娠自体にリスクのある妊婦さんはそうはなかなかなれないのではないでしょうか。
むしろ、理由がよく解らないまま残念な結果になってしまったりするからこそ、そういう話がたくさん出てくるんだと思います。
何とか、自分を納得させる為に。そして、今度はそうならないように安心する為に。
妊娠期間て半年はあるからね。
で、私はというと、色々と難しいのですが、出来るものはやるしかないのでは、とは大枠では思っています。
付随する倫理的な問題は後から考えるべきでは、と。
一見、遺伝子問題だけ見ると禁忌という感じもしますが、今日の日本で私たちが当たり前のように子供を産んで仕事に復帰するまでの道筋を考えられるのは医療関係者の努力の一言だと思うからです。
「出産は命がけ」と言いながら、ほとんどのお母さんが元気に帰ってくるのは、本当は死ぬほどのことではない、というのではなく、長い時間何度も検査して、準備をして、緊急事態にも万全の体制で臨もうとしてくれているからなんだと思っています。
偶然読んだお医者さんのブログで「産科以外は一通り解る」とおっしゃっていたのを見たことがあります。
妊娠してみると、なるほど毎回計測をして、前回との比較で色々予測をしているのが解ります。
だから、基本的にはそのデータを見ながら対処している、というようなのです。
それでも急変したり、しますし。
出産で亡くなる人がほとんどいなくなった、というのは逆に考えれば医療行為がなければ産まれてこれなかった人がたくさん救われるようになったということでもあると思うんです。
だから。
もう、ここまで来てしまったら。
私たちはとりあえず先に進むべきなんだと思ってしまうのです。
望む人が、望むようになるように。
そうなるように、願っています。
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