スキップしてメイン コンテンツに移動

【review】あの頃のBLの話をしよう



review

あの頃のBLの話をしよう

私とあの頃

「いや、お前の昔話とか知らねーから」と思われたら、今回の感想はそんなんばっかなのですいません、スルーしてください。。。

私がBLと出会ったのは1993年くらい。中学生の頃。
初めて地元で行われているコミケに行って、訳も分からずおこずかいで買える範囲の同人誌を買って読んだ中に『スラムダンク』のBLパロディがありまして。

「ほう、こんなものもあるのか……」

と読んだのがきっかけ。


その後、ほどなくして近所の今は亡きスーパーの中にある書店にマガジンBE×BOYが置いてありまして。
何となくそれを読んだのが完全にBLを読むようになったきっかけでした。

さて、ここまで何事もなかったように私はBLを受け入れていますが、基本的にはそういう傾向があったという自覚は全くありませんでした。



思い当たるものがあるとすれば、「田舎だったので娯楽が異常に少なかった」。


今みたいにインターネットも浸透していない時代なので、外部からの情報って基本テレビか本だったんですよね。
でも私の田舎はテレビのチャンネル数も少なかったし、本の流通もすこぶる悪かったので、大手(集英社・講談社・小学館)以外の本は希望しても中々入荷しなかったし、本屋の新刊ってコロコロ変わることもなかったんですよ。

だから、目新しい読めそうなものは何でも読む、と。

こういうのって割と地方あるあるだと思うけれど。

ちょっと話はズレますが、私がディズニーが好きでディズニー絡みのビジネス書も読みます、というと驚く方がいましたが、本当に選り好みするほど選択肢がなかったんですってば。
「普通に」って言いながら、映画好き並に映画観る人とか、音楽もかなりの数聴いている人は都会よりも多い印象はあります。
娯楽が少ない分、我が道を行きやすい……

ついでに言うと、当時はBLという言葉はありませんでした。
「JUNE系」とか「耽美系」って言っていた気がする。



作家の方が立場が上だった

当時、同人活動していた作家さんを起用していた関係で、商業誌にこだわりが薄い、というか既に既存のファンを抱えていた人も多かったそうで、編集側が色々と条件を付けるのではなく、作家が描きたいものを描いていた、という傾向も強かったそうです。

だからか、当時の読者である私にもそのハチャメチャ感がとても面白かった印象があります。

たまーに「そんなのアリ!?」というのに巡りあったこともありますけど……(思い出す中で、明らかに「今でもナシだろ……」ってのもありました)

ちなみに、私の頃は、時系列ではないですけれど、『絶愛』(っていうかこの作品がC翼の同人設定そのままだったというのをこの本で知りました。どんな同人誌だったんだろ……)、『タクミくんシリーズ』、あとGUSTで連載していた『おさかなは網の中』、BE×BOYでは『ヴァイオリニスト』『腐った教師の方程式』……雑誌自体もたくさんあって、一水社のhomme(後に半熟天使になった)、ソニー・マガジンズのきみとぼくとかあったなー。

何が出てくるか解らない、どうなるのか解らない、ってのが多かった。

でも、基本的には暗い話になりがちな中で『腐った教師の方程式』はコメディ前回。ちょっと変わった存在だったのを覚えています。


また、同人誌全盛期もこの時でしょうか。
私は二次創作にあまり馴染めず、どっぷり浸かったことはありませんが、今思えばすごかった。
PCもないので、まずタイプされた文字を載せている本、っていうのもすごいんですよ。
白抜きの文字だって最新のワープロとかじゃないと難しかったんじゃないでしょうか。

そんな中、オフセット印刷なんて高くて、もうそれだけですごいんですよ。
今じゃ、わざわざオフセット印刷しなくても色々方法はあるんでしょうけど。
更にフルカラーの表紙でタイトル箔押しなんて本もあったりして。
すごく綺麗なんだけど、薄いのに2,000円とかしてんの(笑) でもチョー欲しいの(笑)

まあ、現在じゃ本にしなくたって作品を披露する場もあるんだから、何とも言えませんが、当時はサークルさんの出すペーパーも大事な情報源でした。
何だか色々大事に取ってたな。



がっつりでは無くても廃れたわけじゃない

上記のようなお話が色々な方の角度から、様々なエピソードを踏まえて語られています。
「懐かしい話だな」と思ったら、是非読んでください。


現在は、というと。

昔ほどBLばかりを読んでいる訳でもないし、「腐女子です!」って訳でもない。
……っていうか、私が読んでいた当時は腐女子って言葉もなかったけど。

でも、チョコチョコ気になった作品や作家さんは読んでいます。
コミックはヨネダコウさんや、夏目イサクさん。

小説は榎田尤利さんやかわい有美子さん。
特に小説は電子書籍の影響が大きい!
今までの読んだ本から好きそうな設定の本なんかを紹介してくれて、あらすじの確認も、試し読みもすぐ出来る。

更にBL小説で執筆していた方を最近TL小説で見かけることもあります。
BL業界は層も厚いので、結構作家さんも信頼できる方が多いのでTL小説を選ぶときの目安にしている時もあります。


いやー、楽しい。いやー、楽しかった。
私、下手すれば一晩中でもこんな話が出来るかもしれない。今でも。


商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。お買い物される際には、必ず商品ページの情報を確認いただきますようお願いいたします。また商品ページが削除された場合は、「最新の情報が表示できませんでした」と表示されます。
あの頃のBLの話をしよう [ かつくら編集部 ]
価格:1404円(税込、送料無料) (2016/7/24時点)

コメント

このブログの人気の投稿

【 】高畑勲監督のお話 #ジブリ #高畑勲

【  】 高畑勲監督のお話 . iRoakg 高畑勲氏が死去…昨年夏頃に体調崩し入退院を繰り返す 言葉になりません。 いつかは来る日だと知っていても、寂しいです。 1番好きな話はやっぱり『平成狸合戦ぽんぽこ』だな。 どこか懐かしい、そして噺家さんとかをたくさんキャスティングして耳障りの良い語り口調で。 後にサンを演じる石田ゆり子さんはこの作品がジブリ初主演でしたね。 清川虹子さんに車椅子でもいいから、と出演を依頼したおろく婆は、納得のキャラクターでした。 東大卒の方だとは、本当に最近知りました。 それよりも面白いエピソードが多すぎて。 そうそう、『柳川堀割物語』がなければ『天空の城ラピュタ』はありませんでしたよね。 高橋監督の制作費が膨らんで、お金がなくなったから作ったんですよね(笑)。 ジブリのスタジオを探すときもジャンパーで来たことに鈴木さんから「いい歳してそれはない」と言われて、翌日ジャケットを来てきたら決まったらという話がありましたね。 お話を聞いていると鈴木さんもジャンパーなような気がするのに。理不尽。 そういえば、「おれ(の作品)は(宮崎監督作品の)繋ぎか?」と言っていたこともあったそうですね。 高畑勲監督作品が繋ぎ、って。 山田くんも、かぐや姫も、おもひでぽろぽろも、火垂るの墓も、ホルスも、ハイジも、面白かったけど、やっぱりぼんぽこが好きだったな。 人間のやつは狸だったんだ! 狸の風上にも置けないやつめ! 山を返せ!里を返せ!野を返せ! という台詞が印象的でした。 里山を保存する活動にも参加されていたようですね。 言葉では言い尽くせません。 このまましばらくは亡くなった事を忘れるかもしれません。 寂しいなあ。

【diary】クラウドファンディングをやってみる #クラウドファンディング #CAMPFIRE #PWJ

diary クラウドファンディングをやってみる . iRoakg Amazon この世界の片隅に きっかけは、この映画。 個人出資で映画とか出来るんだ!と知りまして。 しかも好きな漫画だったし、作品も素晴らしかった。 同じ年に『君の名は。』の大ヒットもありましたが、こちらの作品も高く評価されていましたね。 映画『この世界の片隅に』★★★★4.0点。 どこにでもいる女の子が、両親、兄弟と暮らしていて。 少し気になる男の子がいたり。 お嫁にいったり。 … https://t.co/ez3BkLD8nV #Filmarks #映画 — かおり (@iRoakg) 2017年9月16日 そしてきっかけになったのが こんな活動もあるんですね。 確かに、少ない子供に勉強する機会はなるべく平等にあって欲しい。 #チャンスフォーチルドレン pic.twitter.com/nolCmfADri — かおり (@iRoakg) 2018年2月3日 クラウドファンディングでこういう事をしているんだ、と俄然興味が出てきました。 元々、募金だとかボランティアだとかそういうのには関心がないタイプ。 だけど「○○をするから、支援して!」と言われればYESかNOか考えられる。 そして、面白そう。 どうやらCAMPFIREという所が結構大手らしい。 CAMPFIRE 他にもあるかもしれません。 ただ、ここも結構沢山のプロジェクトがあって、読むだけでも面白かったです。 個人の小規模なものから大規模なものまで。 毎回プロジェクトをチェックするのは面倒なので、LINEでお友達になりました。 初めてクラウドファンディングに参加 参加でいいのか? でも募金でもないような…… LINEにこんな通知が。 ピースウィンズ・ジャパン!知ってる! 熱風で連載読んだ! ということで、1番少額な1500円だけですが、お金を振込むことに。 入金はクレジットとかペイジー等がありました。 私はペイジーで入金。 今回は災害支援金でしたが、ビジネス的な内容のものも結構あります。 額にもよりますが、楽しそうなものはまた

【review】10DANCE【BL】

読んだBL小説の登場人物が、会社の同僚と同姓同名で一気に萎えました。 いや、カッコイイ人なんだけれども。 小説の方もそれなりに面白かったんだけども。 そうじゃない。 そうじゃないんだよ。 あー胸糞悪い。 と、いう訳で「10DANCE」こちらは漫画です。 競技ダンスの漫画です。 私、よく知らなかったのですが、競技ダンスにはスタンダードとラテンという2ジャンルがあるんですね。 スタンダードはワルツとかの所謂「 Shall We Dance 」の世界。 ラテンは(年がバレるけど)ウリナリ社交ダンス部で杉本南原ペアやビビアン内村ペアが踊っていたのがそうっぽい。 で、それぞれに5種目のダンスがあって スタンダード(モダン) が ワルツ 、 タンゴ 、 スローフォックストロット 、 クイックステップ 、 ヴェニーズワルツ。 ラテンアメリカン  が チャチャチャ 、 サンバ 、 ルンバ 、 パソ・ドブレ 、 ジャイブ。 んでもって、タイトルの10DANCEはこの全然違う2種類の計10種目のダンスを踊って競う、というなんともとんでもない競技ダンスのお話。 で、で、で、主人公二人がそれぞれラテンとスタンダードの国内チャンピオンで10ダンスに出るのに互いのジャンルのダンスを教え合う……という話なんですが。 ここまでの説明長いね…… 漫画だと上手にまとまっているんだけどね。 とりあえず、ダンス漫画として面白い。 競技ダンスの漫画って『ダンシング』(佐々木潤子)くらいしか読んだことがないから比較対象がないけど。。。 チェリープロジェクト(武内直子)とかはフィギュアスケートだったよね。 そうだったよね。 で、主人公二人は名前も一文字違い、体格もほぼ同じ、、、というシンクロシニティで、惹かれ合うような、反発するような形でお互いのダンスにのめり込んでいく……という、お話。 とりあえず、ずっとダンスの話、大会の話 、ダンス業界の話、とダンス漬けで面白い。 華やかに踊って素敵!という感じでもなく、スポーツ漫画のような雰囲気すらあります。 さて。ところでこの漫画。