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【review】ウーマンズ・アイランド



感想:やはり女の業を書かせたら、この人に敵う人はいない。

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一人のスターの噂がスキャンダラスに語られる街。そこには、最先端の都市で生きる女たちの恋と野望が渦巻いていた…。テレビ局、広告代理店、コスメ会社、出版社…新しい街で颯爽と生きる11人の本音と思惑がリアルに交錯する連作短編集。TVドラマ化もされた林真理子の超話題作、待望の文庫化!

ジャンル 小説 / 国内文学
出版社 マガジンハウス
掲載誌・レーベル マガジンハウス文庫
ページ数 228ページ
電子版発売日 2014年03月28日
紙の本の発売 2009年06月



林真理子さんの小説・エッセイと話題になったものは(全てではないのですが)読んでいますが。

今回はジャケ買いです。完全なるジャケ買い。


東京の夜景だー、ウーマンズアイランドかぁ。


みたいな感じで買ったら。

何だろう、最早ホラーか、と。


舞台は新橋とか台場とか東京でも海沿いの方で(東京住まいですが、全くの逆方向なので認識がザックリですいません……)、そこで働く・もしくは住まう女性たちのプライドと現実。


林真理子さんの描く女性というのは、絵に描いたような才色兼備な女性で、とても読者が感情移入出来るようなものではないのに、そこにまるで凡庸な自分の思っていることを代弁しているかのようにリアリティたっぷりに存在する。

そしてキメの一言は、それを並べただけで一冊の本になるのではないかと思うくらい決まってる。



「私は幸運な人間だけれども、幸せじゃない。この頃、本当にそう思う。」

「それに今のこの幸せは、私の手でつかんだもの。」

「野心というのは女を醜くさせる。これは本当のことだ。」



林真理子さんは『野心のすすめ』(講談社現代新書)という本も出しているが、どうだろう。
お仕事やお友達の、お嬢様として育ち美人で頭も良く一点の曇りもない人生を歩んでいる女性を見ると彼女ほどの恵まれた人生を送っている人でも、そんなことを思うのでしょうか。


実はエッセイばかりを読んでいて、小説は久しぶりですが、女性が読むおしゃれな小説ってこんなんじゃないかしら。

村上春樹じゃなくて。
(いや、村上春樹も読みますよ……少しだけ)


外見は篠原涼子さんみたいな小説なんですけど、中身は業や生き様が煮えくり返っている。
面白くて、恐ろしい。

林真理子さんの小説です。


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